Xrite Japan

色管理

なぜ印刷された色が違って見えるのか:計測の必要性

もし世界がパーフェクトな世界だったら、印刷機にインクを入れて印刷したとすれば、一貫した色が実現できるでしょう。しかし残念なことに、フレキソ印刷およびグラビア印刷作業は毎年、正しい色を得るためにインク、基材および印刷にかかる時間を無駄にしています。
 
 
カラー管理の8つの注意点
 
技術の進歩によって正確な色へ到達するのは容易になりましたが、色に影響する不確定要素は依然として存在します。このシリーズでは、色が違って印刷されしまうことの多くの理由を紹介していますが、今日のトピックでは、印刷のカラー管理の8つの注意点を掲載しています。
 

1 - 間違った機器の選択

私たちのeXact500シリーズ製品グループのような0°/ 45°のエックスライト 分光測色計は、印刷やパッケージング カラーマネジメントの分野で非常に人気があります。しかし、ポリまたはアルミフォイルのような反射材料やメタリックインクによる印刷の場合は、積分球分光測色計を使用する必要があります。
 
 
積分球分光測色計
 
反射面は、光沢の効果を受けて、実際のサンプルの色の見え方を変えてしまう可能性があるため、難しくなります。0°/ 45°分光光度計は、光沢を除外して測定するため、0°/ 45°でホイルを測定すると、本来の色とは違った値が得られてしまいます。ポータブル積分球分光測色計 Ci64のような積分球測色計を使用すれば、正反射を含めたり除外したりして測定できるので、人間の目に見える色と一致させることが出来ます。私たちのブログ「反射面を測定する効果的な方法」(英語)をご覧ください。
 

2 - キャリブレーションされていない、または故障した機器の使用

キャリブレーションが不十分な機器、特にうっかり落としてしまったような機器は、間違った値を示すことがあります。計測器が正しく読み取れない場合、またキャリブレーションを頻繁にしていない場合、その値をもとにしてカラーマネジメントソフトウェアが正しいとする色を作ったとしても、あるべき色と違ってしまう可能性があります。
 
 
定期的にキャリブレーションを行う
 
このよくある問題は、適切なデバイスメンテナンスで簡単に解決できます。少なくとも使用者が変わる前ごとに、定期的にキャリブレーションを行うことが大切です。計測器が正しくキャリブレーションされない場合、または測定値が実際の値とあまりに遠く離れている場合は、おそらくサービスの対象となります。私たちのブログ「分光測色計のお手入れ」(英語)では、私たちエックスライトのサービスや品質保証について説明しています。
 

3 - 間違った光源設定の選択

常に「サンプルを観察する光源」と「測定器の光源」を同じように設定することを忘れないでください。ほとんどの印刷施設は、D65/10°の正午の太陽光やD50 / 2 °の地平線の日光のもとで色をチェックしますが、時には前もって独自の許容範囲を指定されることもあります。印刷作業を開始する前にこれを確認してください。
 

4 - 適切なデルタEを設定する

Delta E CMCは1988年に開発されて以来最も人気がありましたが、現在はデルタE 2000がその役割を牽引しています。この新しい計算式は、カラーサンプルの測定に関してより寛容です。詳細については、エックスライトのブログ「許容ブログ」(英語)をご覧ください。 一部のワークフローでは、顧客によってデルタEの計算を切り替える必要があります。前印刷準備の忙しさの中で、忘れられてしまいがちなポイントです。
 

5 - バッキング(測定サンプルの下に敷くもの)を選ぶ

プリントサンプルを何の上に置くかは非常に重要です。多くのサンプルは完全に不透明ではないため、測定器は背景からもカラーデータをピックアップし、測定結果に影響を与えてしまいます。バッキングを使用すると、計測器は測定したいカラーデータのみを読み取ることができます。
ステンレススチールや木製のテーブルは良い背景ではありません。一貫した測定のためには、常に同じ黒または白のバッキングを使用してください。ISO認証バッキング材を購入することもできますが、ホームセンターでセラミックタイルを購入して使用するのも良いでしょう。ただし同じロットの色であることを確認するようにしてください。また、標準値の測定を印刷側で使用するのと同じバッキング材で測定することも忘れないでください。
 
 
カラー測定デバイス
 

6 - 手動によるL * a * b *値の入力

これもよく見られる問題です。印刷担当者へ色を測定したときの反射率データを含まないL * a * b *値を送ってしまうと、いくら印刷担当者が手動で標準のL * a * b *値を正しく入力しても、最終的な色が正しく出ない可能性があります。 カラー測定デバイスを使用してカラーマネジメントソフトウェアに標準を読み込み、.mifまたは.cxfファイルとしてエクスポートするのが最善の方法です。これらのファイルは、クライアントとの間で簡単にメールでやりとりすることができ、誰もが反射率データを含む同じ、デジタルの基準色から作業することを可能にします。
 

7 - 誤ったフィルタ(M0、M1、M2、M3)の使用

紙に含まれる蛍光増白剤を調整するために、ますます多くの印刷担当者が測定器をM1で設定しています。GRACOLを含む業界は、この設定を採用する方向に傾き始めています。もしあなたの印刷担当者が切り替えていない場合、一部の標準値がどちらか一方を使用して入力された可能性があることを理解することが重要です。これらのM設定に注意してオペレーションを行ってください。そして、この設定の切り替えを行うときには、多くの基準値を再入力する必要があるかもしれないことを覚えていてください。
 

8 - 異なる操作手順

これらの手順に従う印刷担当者が1人だけしかいなければ、色の一貫性は保てません。すべてを文書化し、ワークフローに関わる全員に伝える必要があります。標準的な運用手順書(SOPs)は、ロードマップを提供し、問題解決をサポートし、新入社員を訓練するのをはるかに容易にします。SOPsが適切に作成され、実行されれば、シフトやロケーションに関係なく、誰もが分光測色計を同じように操作できるようになります。
 

次回は

「なぜ印刷された色が違って見えるのか」第2部では、基準値とインクに関する問題についてお話しします。引き続きエックスライトのブログにご注目ください。
 
 

#X-Rite eXact #ポータブル積分球分光測色計 Ci6x #Xrite 分光光度計 #積分球分光測色計 #カラーマネジメントソフトウェア #500 シリーズ製品グループ #色の管理 #カラーマネジメント 印刷 #パッケージ カラーマネージメント #インクの色