もはや視覚評価だけでは十分ではない?
パッケージもいい例でしょう。かつては店の棚に並んでいたのは印刷の施された箱ですが、今では、フォイルパウチ、ブリスターパック、複数の素材を使ったパッケージが目につきます。半透明で反射性のある素材において、特に、色の管理は難しくなり、ある種類でうまくいく方法が他の素材では必ずしも役に立ちません。
1. 間違った照明
2. 色の認識能力についての過信
3. 間違った色見本
4. デバイスごとに異なって色を表示
視覚だけを頼りに色を決めていませんか?
標準光源や色彩測定ツールをすでにご利用されている場合には、あなたの旅路はもう少し先にまで進んでいることになります。今後のブログでは、より踏み込んだ内容をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!
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自社とサプライヤーの測定値は 一致していますか?
一致していますか?
1.異なるデバイス
2.デバイスの不十分なメンテナンス
3.異なる基準
4.ヒューマンエラー
5.間違ったコミュニケーション
05_濃度を測定すると何が分かるの?
同じインキでない場合、濃度を合わせても色はマッチしないのです。ですから、たとえばプルーフのベタ濃度を測定して本紙のベタ濃度をこれに合わせても、一般的に色は合いません。(プルーフと本紙では通常インクが異なるからです。)
トリックなし、トリート(ごほうび)だけ!
04_濃度ステータスTとE、あなたはどっちを使ってる?
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測色計ってどう使うの? ―アイスクリームの色管理―
スーパーやコンビニでアイスクリームを買う時、あなたは何を基準に選びますか?
無意識に、商品の色と外観で一番美味しそうに見える商品を選んでいるのではないでしょうか。
トルコ北部のチョルルに位置するAlgidaアイスクリーム(世界第6位のアイスクリームメーカー)では年間10億個単位のアイスクリームを生産しています。この工場でとある問題が発生しました。店頭に出荷するアイスの色に、生産ロットによって微妙に差が出てしまうのです。
もし買うたびに、ストロベリーアイスクリームが真っ赤だったり、真っ白だったりしたら、そのメーカーの商品を好んで選ぶでしょうか?その答えはAlgida社が一番よく知っていました。アイスクリームメーカーにとってカラーマネジメント(色の管理)は最も重要な要素です。Algida社は製品の色を統一させるために生産管理のプロセスの改善を検討します。
しかし、アイスクリームは使用成分や生産プロセスにより、正確な色を確保するのが非常に難しい食品です。アイスクリームの成分は照明を反射しますが、成分によって強度が異なります。例えば、粒子や気泡は、アイスクリームを薄い色にします。チョコレート味を作るココアのタイプによっても、茶色や赤など色合いが異なります。色の管理は一筋縄ではいきません。
そこで、カラーマネージメントのパートナー企業にエックスライト社を選びました。
エックスライト社は、チョルル工場に適した測色計とソフトウェアを組み合わせたパッケージ「VS450」を用意しました。VS450は測定物の表面に接触せずに正確に測色を行うことができる製品で、食品物を取り扱う際に非常に有用です。
チョルル工場では驚くべきスピードでアイスクリームが生産されています。生産ラインで飛び交うコンテナーに対応するためには色測定は正確かつ瞬時でなければいけません(当然非接触で!)。また、堅牢性も必要です。
VS450はアイスクリーム、チョコレート、着色料、ジャムなど、継続的に生産される加工食品のわずかなカラー変動を監視しつづけました。データはリアルタイムで統計処理およびプロセス監視に回されるため、品質管理と同時にコストを削減も図ることができました。
ヨーロッパ諸国で長年人気のあるAlgidaアイスクリームは、トルコでエックスライト社のテクノロジーを用いて色品質に対する評価を高め、東ヨーロッパ、中近東、アフリカにおいても高品質なアイスクリームの生産を展開することになりました。
エックスライト社の小型非接触式装置VS450はアイスクリームに限らず、あらゆる食品生産ラインに取り付けが可能で、高速に生産される製品の色を精密に測定します。温度、湿度、照明、振動等の変化に対する耐久性を備えており、あらゆるサンプルの色測定を素早くかつ価格を抑えて行うことが可能です。
エックスライト社製品のご紹介→http://www.xrite.co.jp/products/non-contact.html
03_濃度ステータス EとTはどうちがう?
前回、ISOのプロセス印刷用の濃度ステータスとして、ステータスT,E,Iがあることを紹介しましたが、今回はその内容をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
前回、ISOはこれらの波長領域の重み付けを数値として規定してることをご説明いたしました。(元々は色分解用フィルターの特性をベースにしたものです)
図-3に重み付けの波長グラフを示します。横軸が波長で、縦軸が重み付けの係数になります。
このようにマゼンタ用やシアン用の重み付けは、ステータスTとステータスEとで同じものが使用されています。
つまり、M濃度やC濃度はステータスTとステータスEで全く同じ数値となります。
違いが出るのはイエロー濃度だけです。イエロー用の重み付けでは、ステータスEが500nmあたりでほぼゼロになっているのに対して、ステータスTでは550nmあたりまで感度が延びています。
この違いは、イエローインキのインキ量(オフセットではインキの盛り量)の増減に対する濃度の対応に影響します。
イエローインキはシアンやマゼンタのプロセスインキと比較して、比較的純粋な色味をしています。
つまり,照明光の短波長成分のみを吸収し他の波長領域の光を吸収しない(副吸収が小さいということです)特性を持ち、その分光反射率は480nmあたりで急峻に立ち上がります。(図―4参照)
ステータスTの応答特性を使用した場合、この立ち上がり部分(図―4図中 黄緑の楕円部分)を拾うため、結果として濃度変化に対して多少鈍感になります。一方,ステータスEではこの部分を除外し、純粋にインキ量の増減を反映した短波長領域の上下のみを拾って濃度とします。
このため、数値の反応が濃度変化に敏感になり、特にオフセット印刷でのインキ壷の調整に有利なデータを提供します。
もちろんステータスTでもインキ量の増減を確認するのに不足はありませんし、見た目の濃淡の感覚にマッチしているため、コチラを使用するユーザーも多くいます。
一般にステータスTは北米で,ステータスEはヨーロッパで使用される傾向があります。